『USB』

桜が舞い散る映像美の豊かなポエジーと、現代日本の知られざる裏社会を鮮烈に映し出したハードボイルドの融合。そして、出口なしの状況で蠢くひとりの青年がたどる哀しい運命を描く。キャストには、奥監督の才能に惹かれた、桃井かおり、大森南朋、大杉漣、峯田和伸、野田秀樹など、豪華な面々が集結。


美しさと、哀しみと――。
『USB』は、奥秀太郎の最初の集大成と言えるだろう。

森 直人(映画評論家)


言 葉 / PIECE

最初、『USB』というタイトルを聞いてデバイスのほうを思い浮かべたが、《Under the SAKURA Blossom》という意味も含まれていると、奥監督が説明してくれた。

確かに、桜は劇中で重要な意味をもって描かれる。

奥監督が、むかし撮影した桜の映像のアーカイブを見せられ、映像の中にちいさく写っているカップル、このふたりの映画を撮りたいんだと。だから、映画の最後の桜のシーンに写っているのは僕ではない。この桜の映像から逆算して、あの人物が僕に見えるよう、主人公の衣装や人物設定などを作り込んで撮影を行った。

ベルリン映画祭で出会った桃井かおりさんや、ジャンルを越えた素晴らしい配役が実現し、彼らの忙しいスケジュールを縫うため、断続的に1年間ほど撮影が続いた。毎回、忘れたころに撮影の連絡がくる。

奥監督は、『カインの末裔』『USB』、もう1作撮って《三部作》にするという構想を話していた。三部作を締め括る映画の撮影は、いつ始まるだろう?


『USB』

監督 / 奥 秀太郎


出 演 / CAST

祐一郎 / 渡辺一志

母 / 桃井かおり

樫田 / 大森南朋

甲斐 / 峯田和伸

真下恵子 / 小野まりえ

大 橋 / 大杉漣

藤 森 / 野田秀樹


配給 / NEGA / 95分 / 2009