映画『USB』のスチール写真
95min 2009

USB

桜が舞い散る映像美の豊かなポエジーと、現代日本の知られざる裏社会を鮮烈に映し出したハードボイルドの融合。そして、出口なしの状況で蠢くひとりの青年がたどる哀しい運命を描く。キャストには、奥監督の才能に惹かれた、桃井かおり、大森南朋、大杉漣、峯田和伸、野田秀樹など、豪華な面々が集結。

美しさと、哀しみと――。
『USB』は、奥秀太郎の最初の集大成と言えるだろう。

森直人(映画評論家)

言葉 Piece

最初、『USB』というタイトルを聞いてデバイスのほうを思い浮かべたが、《Under the SAKURA Blossom》という意味も含まれていると、奥秀太郎監督が説明してくれた。確かに、桜は劇中で重要な意味をもって描かれる。

奥監督が、撮りためていた桜のアーカイブ映像を僕に見せ、「このふたりの映画を撮りたいんだ」と、桜の木の下にちいさく映っているカップルを指さした。だから、映画の最後、桜のシーンに映っているのは僕ではない。この桜の映像から逆算して、あの人物が僕に見えるよう、主人公のキャラクターを組み立て、撮影を行った。

ベルリン国際映画祭で出会った桃井かおりさんを筆頭に、ジャンルを越えた素晴らしい配役が実現し、彼らの忙しいスケジュールを縫うため、2007年から断続的に1年間ほど撮影が続いた。毎回、忘れたころに撮影の連絡がくる。

奥監督は、『カインの末裔』『USB』、もう1作撮って《三部作》にするという構想を話していた。三部作を締めくくる映画の撮影は、いつ始まるだろう?また忘れたころに、連絡がくるかもしれない。


USB

監督 / 奥秀太郎

祐一郎

渡辺一志

桃井かおり

樫田

大森南朋

甲斐

峯田和伸

恵子

小野まりえ

大橋

大杉漣

藤森

野田秀樹

配給 / NEGA / 95分 / 2009